強迫性障害の治療と対策を解説するサイトです
自分でもバカバカしいと思うような考えでも頭から離れず、
突き動かされるように何度も同じことを繰り返してしまうといった
強迫観念と強迫行為にとられわる症状。
■強迫性障害の例
1.手洗い、入浴などの洗浄行為を長時間続ける
2.鍵をかけたかどうか不安で何度も確かめる
3.すれ違った人を傷つけたかもと心配する
4.物事の正確さに極度にこだわる
5.体調や病気にひどくこだわる
6.服を着るときなど決まった手順にとらわれる
7.不要なものでもいつか必要かもと捨てられない
■心配事との違い
日常生活の中で、心配事が頭を離れないことはよくあります。
しかしこれが度を越して日常生活にも支障が出てくると、
ただの心配ではなく、強迫観念であると考える必要があります。
例えば、外出時に家のコンロの火を止めたかどうか、について、
家を出る前後の数回の確認なら問題にはなりませんが、
外出して駅まで行ったのに、不安になってまた家に戻るなどの
行為を繰り返す時は、強迫性障害である可能性があります。
■強迫性障害の原因
これまで、強迫性障害は心理や社会的な要因で起こる病気だと言われてきました。
しかし最近は、脳の機能障害があることがわかってきています。
脳の研究結果などから、強迫性障害と関係が深い脳の部位には、
「眼窩前頭皮質」「前部帯状回」「尾状核」「淡蒼球」「視床」などがあります。
■強迫性障害の特徴
強迫性障害には、自分ひとりで強迫症状を繰り返す「自己完結型強迫性障害」と
まわりの人を巻き込む「巻き込み型強迫性障害」の2つがあります。
特に周囲への負担が大きくなるのが、「巻き込み型強迫性障害」です。
例えば、家族全員へ何度も手を洗うように強要したりする場合です。
仮に周りの人が協力したとしても本人の強迫観念は一時的にしか
解消されず、長い間本人のエスカレートする要求に振り回され
周囲の人が疲れ果てていきます。
■強迫性障害を放置すると・・・
強迫性障害をそのまま放置すると大変なことになります。
・家族が巻き込まれることになる(巻き込み型強迫性障害)
・回りが心配してやめさせることで本人とのあつれきが生じる
・症状が仕事・学業に影響するほどエスカレートする
・うつ病や統合失調症、パーソナリティ障害を併発する
このような事態に発展しかねませんので、
早めの治療・対策が必要です。
■強迫性障害の治療について
強迫性障害は症の割合は約1.6%と、
うつ病(16.6%)やパニック障害(4.7%)に比べて低い傾向にあります。
しかし、一旦発症すると50.6%が重症化するといったデータもあります。
重症化する理由としては、症状が現れてもなかなか治療を始めないことが挙げられます。
強迫性障害は適切な治療を受ければ改善が期待できますので、
「こんなことで治療なんか・・・」などとは考えずすぐに治療を開始してください。
また、家族だけで問題を解決しようとせず、病院などで早めに相談しましょう。
■病院で治療を受けるときの注意点
「治療を受けるには専門的な受診先で受けること」
⇒適切な受診先
精神科、精神神経科、心療内科
⇒不適切な受診先
神経内科(脳や脊髄などの神経系の病気を治療するところだから×)
皮膚科等(過剰な洗浄による手荒れ自体を治療するところだから×)
■最後に
「自分だけが異常なのでは」
「こんなバカバカしいことで悩んでいるのは自分ひとりだけ」
などと考えていませんか?
強迫性障害は決してめずらしい病気ではありません。
多くの人が同じ症状で悩んだり治療したりしています。
また、一人で悩むと悩みは深まるものです。
まわりの人に相談し、一緒に治療法を考えていきましょう。
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